5月の暦行事のご案内

5月2日頃 八十八夜

種まき 立春から八十八日目の5月2日頃をさし、春から夏へと移る季節の境目のこと。特に農業にとっては、作物の生長において大切な目安の日になります。
農家では苗代(稲の種をまき、苗になるまで育てる田)に種もみをこの日にまき、茶畑では茶摘みを始める目安の日になります。
粥を田の神様に供えるならわしなど、地方にとっては、いろいろ習慣があります。

5月5日 端午の節句(子供の日)

端は「初め」という意味で、月の初めの午の日を「端午」といいます。
端午の節句が5月5日に定まったのは漢時代以降のことです。
古代中国では5月は物忌みの月で、「牛」は五に通じることから、重日思想(数字を重ねる)の影響もあり5月5日が端午の日とされ、邪気を払う行事が行われるようになりました。


端午の節句にまつわることがら
菖蒲(しょうぶ)

首に吊るしたり、菖蒲湯に入ったりして邪気を払った。また、葉の形が刀に似ていることから、子供たちが打ち合う遊びの道具として使われていました。


柏餅と粽(ちまき)の由来

粽を川に投げ入れて、故人の霊を供養したという故事にちなむ。柏餅は、柏の葉がなかなか落ちないことから、跡継ぎが絶えないという縁起物になった。


男の子の節句になった訳

鎌倉時代になると「菖蒲」を「尚武=武を尚ぶ」とかけて、武具を飾って尚武の節句として祝うようになり、江戸時代以降、男の子の誕生を祝うようになった。


鯉のぼりの由来

鯉のぼり 鯉が黄河の滝をのぼるという中国の故事にちなみ、 男子の立身出世を願って縁起のよい鯉を飾るようになりました。
龍玉と呼ばれる丸い飾り物は神様を招く「依りしろ」といわれています。
カラカラと音を出して回る矢車にも魔除けの意味があります。
上の吹き流しの青、赤、黄、白、黒の五色は中国の「五行」を意味し、邪気を払う霊力があると信じられています。
一番上は真鯛はお父さん、赤の緋鯉はお母さん。、緋鯉の下につける子鯉は子供達。

5月6日頃 立夏

蚊取り線香 二十四節気のひとつ。「立つ」には始まるという意味があるため、立夏は夏が始まる日を意味し、この日から立秋の前日までを夏といいます。春分と夏至のちょうど中間にあたります。

5月第2日曜日 母の日

母の日 日頃の感謝を込めて、母親にカーネーションなどの贈りものをする日。
20世紀始めに、アメリカのアンナ・ジャーヴィスという女性が、母の命日に教会で"亡き母をしのぶ"を花言葉にもつ白いカーネーションを霊前に供えて母親をしのんだことが始まりともいわれています。
日本には教会を通して伝わりましたが、「母の日」の行事が盛んになったのは戦後の事です。


カーネーションの色は?

アンナ・ジョーヴィスの行動から、母の生存の有無でカーネーションの色を変えるようになった。
存命なら赤、存命でないなら白いカーネーションを贈っていた。

5月15日 葵祭

お姫様 京都三大祭(祇園祭・時代祭・葵祭)のひとつで、平安時代以前から続いています。
6世紀の中頃、凶作に見舞われ飢餓疫病が続いた時、賀茂神の祟りを鎮めるため、4月吉日に五穀豊穣を祈ったのが始まりと伝えられています。
5月15日に、平安時代の装束をつけた総勢500人以上が行列で進む姿は、まるで大絵巻のようです。


「葵祭」の名前の由来

祭り日に、内裏神社の御簾をはじめ、御所車(牛車) 、勅使・供奉者の衣冠などにいたるまで、すべて葵の葉と桂の小枝で飾ったことに由来。
現在でも参加者は葵をつけ、家々にも葵を掛ける風習があります。